伊予の水引
水引の歴史は古く飛鳥の時代、聖徳太子の命を受け隋(現在の中国)に渡った小野妹子が日本に帰る際、隋からの贈り物に「くれない」という麻を紅白に染め分けた紐状のものが掛けてあったと言われています。これは帰路の平穏無事を祈願すると共に、贈り物が真心のこもった品物である事を表わしたと言われています。
元結とは髪を束ねる細い紐のことです。それまで麻紐や組紐が使われていましたが、平安時代、紙をこよりにした元結が発明され、水引も麻紐から紙紐に変わりました。その後水引は元結の普及と共に全国各地で生産されるようになりました。
昭和3年今上陛下御即位之
御大典御用品宮内省御買上
その後明治維新の断髪令と共に元結の使用が減少し、それと共に生産地も減少しましたが、当地は元結の素材である水引を「金封」や「結納」「水引工芸品」の開発へと変化させてきました。
人々は、水引を結ぶことによって贈り物に込めた思いをしっかりとその中に封じ込めてきました。伊予の水引はこれからも人と人を結ぶさまざまな贈り物と共に、伝統に息づく日本の心を伝えていきます。
御水引謹製場風景